世界遺産 ギリシャ

アトス山

Mount Athos

アトス山について

英名:Mount Athos
ギリシャ北部、ハルキディキ半島から枝分かれしエーゲ海に面する「アトス半島」全域を占める世界遺産。標高2,033mのアトス山を中心に、断崖絶壁や深い森の中に20もの巨大な修道院が点在している。 この地はギリシャ正教の聖地であり、行政的にはギリシャ共和国の中にありながら、大幅な自治権を持つ「修道院自治州(Monastic Republic)」として機能している。入山にはパスポートが必要であり、査証(ディアモニトリオン)の発給を受けた男性巡礼者のみが立ち入りを許される。

最大の特徴は、1046年にビザンツ皇帝が定めた「女人禁制の掟(アバトン)」が、1000年近く経った現代でも厳格に守られていることだ。修行の妨げになるという理由から、女性はもちろん、「メスの家畜」さえも持ち込みが禁止されている(ただし、ネズミ駆除の猫と、卵を得るための鶏は例外とされる)。

この遺産の本質的価値(OUV)は、「ビザンティン時代がそのまま冷凍保存された場所」である点だ。 ここでは現在もユリウス暦(旧暦)とビザンティン時間(日没を0時とする)が使われており、中世そのままの祈りの生活が続いている。各修道院には、イコン(聖像画)、壁画、典礼用具、古文書など、計り知れない価値を持つ美術品が収蔵されており、まさに「生きた美術館」と言える。

また、長期間にわたる人間の定住制限と、近代的な開発の欠如、そして家畜の放牧が行われなかったことにより、地中海沿岸では稀有な手つかずの原生林が残されている。この生態学的な価値も評価され、文化遺産ではなく「複合遺産」として登録されている点も重要である。

概要

登録国 ギリシャ
登録年 1988年
登録基準 (i)(ii)(iv)(v)(vi)(vii)
分類 複合遺産
その他の特徴 キリスト教

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